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annesophisantory2016.jpgアンネ=ゾフィー・ムター ヴァイオリン・リサイタル サントリーホールAnne Sophie Mutter Violin recital 2016.10.5

アンネ=ゾフィー・ムターのヴァイオリンリサイタルである。
ガラコンサートの武満徹のノスタルジアの時でもそうだが、本当に弦さばきがすごい。あれほど繊細で美しい音がでるのかといつも感心させられる。
今回の演目は、モーツァルト、サン゠サーンスを除いて現代音楽のカリアー、ローマ三部作で有名なレスピーギとマイナーな曲が目立った。

カリアーは、彼女の繊細で抑制が効いた現代音楽のヴァイオリンの音色である。彼女のヴァイオリンがないともしかすると全くつまらない曲になってしまうかも。
モーツァルトは、彼女の得意なレパートリーだろう、ヴァイオリン協奏曲も全周を出しているし、ソナタもそうだ。軽快で綺麗なヴァイオリンの響きが本当にいい、そしてオルキスの伴奏も素晴らしいのである。
レスピーギは綺麗な音色が続く。ただ何か期待したヴァイオリンの音色ではない。これは曲のせいだろう。
序奏とロンド・カプリッチョーソから始まった、彼女の超絶的なヴァイオリンの演奏を見せつけられると素晴らしいとしか言えない。そして続くアンコールも本当に素晴らしい。6曲もするとは思ってもみなかった。最後はタイスの瞑想で締め。観客としてはたまらないアンコール曲の連続だった。


アンネ=ゾフィー・ムター ヴァイオリン・リサイタル
ヴァイオリン:アンネ=ゾフィー・ムター
ピアノ:ランバート・オルキス
カリアー: クロックワーク
モーツァルト: ヴァイオリン・ソナタ  イ長調  K526
レスピーギ: ヴァイオリン・ソナタ  ロ短調
サン゠サーンス: 序奏とロンド・カプリッチョーソ  イ短調  op. 28

アンコール
アーサー・ベンジャミン
:ジャマイカ・ルンバ
チャイコフスキー
:メロディ 変ホ長調 op.42-3
ブラームス(ヨアヒム編)
:ハンガリー舞曲第1番
ジョン・ウィリアムズ
:「シンドラーのリスト」から
ブラームス(ヨアヒム編)
:ハンガリー舞曲第2番
マスネ
:タイスの瞑想

最後のサイン会はさっと飛ばされるような感じで期待はずれであったが、すこし声をかければこちらを見てくれるゆとりはあった。
序奏とロンド・カプリッチョーソとアンコールの曲のほとんどは、イエロー・ラウンジ ライヴのCDに収められている。

galaposter.jpgサントリーホール30周年記念ガラ・コンサート -正装コンサート- 指揮ズービン・メータ、小澤征爾

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ヴァイオリン:アンネ=ゾフィー・ムター、
ソプラノ:ヘン・ライス、

今回は、ガラ・コンサートということもあって、開演の時の仕掛け時計の演出ではなくリヒャルト・シュトラウスのウィーン・フィルハーモニーのためのファンファーレを、ウィーン・フィルの楽団員が演奏する演出で始まる。
正面に大きな花の飾りと赤いカーペット敷いてある。

今回は1回の後ろの席。クラシックのコンサートの感激度は、いつも座っている席でかなり影響されると思っているので、同じ演奏を聴いた人が同じような意見を持つとは限らないだろう。今回もそう思ってしまうコンサートだった。

小澤征爾はやっぱり腰は悪そうで、座って指揮をしている。ただステージに歩いて登場する時は颯爽として元気そうだ。

未完成は、かなり遅めのテンポ。僕はもっと早いテンポが好きだな。カラヤン、ベルリンフィルの演奏を生で聴いているがその時ほど音が綺麗に聞こえたことは今までになかった。実際自分の耳が悪くなっているのかもしれない。それにやっぱりクライバーのCDがいいと思いながら聞いてしまった。小澤のサイトウキネンの時もかなり遅いのでそれが小澤の未完成というところか

ノスタルジアは、最近山田和樹ので聞いたのだが、これはやっぱり小澤征爾、アンネ=ゾフィー・ムター、ウィーン・フィルの組み合わせが圧巻。ここまで聞かせるとはびっくりだし、やっぱりムターのヴァイオリンの響きは本当に素晴らしい。

交響詩海は、僕にはなんとなくピンとがボケているような。もっと弾けるような音の綺麗さが欲しい。

なんにしてもウィーンフィルのアンサブルはなんだが、今回はボケているように思えなかった。これは、ズービン・メータの指揮のせいだろうか??

ソプラノのヘン・ライスの声は素晴らしく綺麗である。そして美人。この人が演じるオペラに観に行く価値があるかもと思ってしまう。


アンコールはヘン・ライスとウィーン・フィルで始まり、次はアンネ=ゾフィー・ムターの競演、これはすごい今回のガラコンサートは豪華絢爛と思ったが、最後は、ズービン・メータが、小澤を連れて壇上に上がる。最初は、指揮はズービン・メータにと嫌がっていたが、曲が始まると椅子もなく、二人で指揮をした。小澤もノリノリである。こんなコンサートはもう見れないかもしれないとしみじみと感動。
最後のフィナーレには、金色の紙吹雪、テープが舞って終了。

素晴らしいコンサートだった。

ちなみに正装コンサートだったが、僕は普通のすこしおしゃれスーツ、ネクタイにした。前もって電話で問い合わせたが、タキシード、燕尾服がいいけど、結婚式に出席するくらいの正装なら良いとのことだった。それなりに普通の背広の人もいて浮くことはなかった。
有名政治家も多く来てたみたい。

【第一部】
モーツァルト: オペラ『フィガロの結婚』K492から 序曲 ...指揮 ズービン・メータ
シューベルト: 交響曲第7番 ロ短調 D759 「未完成」 ...指揮 小澤征爾


【第二部】
武満徹: ノスタルジア ―アンドレイ・タルコフスキーの追憶に― ...指揮 小澤征爾
ヴァイオリン アンネ=ゾフィー・ムター

ドビュッシー: 交響詩『海』-3つの交響的スケッチ ...≈


【第三部】 指揮 ズービン・メータ
J. シュトラウスII: オペレッタ『ジプシー男爵』から 序曲
: ワルツ『南国のバラ』 op. 388
: アンネン・ポルカ op. 117
: ワルツ『春の声』 op. 410 ソプラノ ヘン・ライス
ヘルメスベルガーII: ポルカ・シュネル『軽い足取り』
J. シュトラウスII: 『こうもり』から「チャールダーシュ」 ソプラノ ヘン・ライス
: トリッチ・トラッチ・ポルカ op. 214

アンコール曲
:オペレッタ『ジュディッタ』から「私の唇にあなたは熱いキスをした」
クライスラー
ヘン・ライス

:ウィーン奇想曲 op.2
アンネ=ゾフィー・ムター

J.シュトラウスⅡ
:ポルカ・シュネル『雷鳴と電光』 op.324
指揮 ズービン・メータと小澤征爾

http://www.wienerphilharmoniker.at/concerts/concert-detail/event-id/9660

Sat, 01. October 2016

18.00

Tokyo, Japan
Suntory Hall, Main Hall
Gala Concert in Tokyo

CONDUCTOR, CONDUCTOR
Zubin Mehta, Seiji Ozawa

Program

Wolfgang Amadeus Mozart
Ouv. Le Nozze di Figaro KV 492
Franz Schubert
Symphony No. 7 in B minor, D 759 ("Unfinished Symphony")
Tôru Takemitsu
Nostalghia
Claude Debussy
La Mer. Trois Esquisses symphoniques
Johann Strauss, Jr.
Ouvertüre zu Der Zigeunerbaron
Rosen aus dem Süden. Walzer, op. 388
Annen-Polka, op. 117
Frühlingsstimmen (Voices of Spring), Waltz, op. 410
Josef
Leichtfüßig, Polka schnell
Johann Strauss, Jr.
Die Fledermaus, "Klänge der Heimat", Csárdás
Tritsch-Tratsch. Polka schnell, op. 214


CONDUCTOR, CONDUCTOR
Zubin Mehta, Seiji Ozawa
ORCHESTRA
Wiener Philharmoniker
VIOLIN
Anne-Sophie Mutter
SOPRANO
Chen Reiss

カルメン幻想曲 アンネ・ゾフィー・ムター(アンネ=ゾフィー・ムター) Anne Sophie Mutter Carmen - Fantasie

ヴァイオリン: アンネ・ゾフィー・ムター Anne Sophie Mutter
指揮:ジェームス・レヴァイン James Levine
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 Wiener Philharmoniker
録音:1992年11月、ウィーン、ムジークフェラインザール

・ツィゴイネルワイゼン op.20(サラサーテ)
・伝説曲 op.17(ヴィエニャフスキ)
・ヴァイオリン・ソナタ第4番ト短調『悪魔のトリル』(タルティーニ/クライスラー編)
・ツィガーヌ(ラヴェル)
・タイスの瞑想曲(マスネ)
・カルメン幻想曲(サラサーテ)
・子守歌ニ長調 op.16(フォーレ)

CDのタイトルになっているカルメン幻想曲は、スペインのヴァイオリニストであるパブロ・デ・サラサーテが1883年に作曲したヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲。
当然これは、ビゼーのオペラ、カルメンの曲を用いたヴァイオリンのための曲。

このCDはすごい。どの曲もムターの素晴らしさで一杯である。ヴァイオリンの難曲をウィーンフィルと組んで録音した名盤である。
とくにカルメン幻想曲ではヴァイオリンでこれだけ人の歌声を超えるような表現できるなんてと思ってしまう。ハバネラの情熱と妖婉さをヴァイオリンでこれだけひょうげんできるとは、さすがムターである。

ツィゴイネルワイゼンもサラサーテ作曲。これは、吉本新喜劇でよく使われていたから最初のフレーズはおなじみであるが。

ツィゴイネルワイゼンもジプシー(ロマ)の旋律
ツィガーヌもロマを意味するフランス語
当然カルメンもそうだ。

サラサーテは、スペイン北東部・ナバーラ州の州都パンプローナの出身。ここもバスク地方である。

ラヴェルはバスク人の血を引く。バスク地方一帯は、スペイン系ロマが生活の場を置いてきた地域だった。ラヴェルが作曲した

カルメンの中で歌れるハバネラは実はビゼーの作曲ではない。バスク出身のセバスティアン・イラディエルの曲をビゼーがスペインの民族音楽と勘違いして流用した。原作のホセの出身地はバスクである。

悪魔のトリル
イタリア人のジュゼッペ・タルティーニが作曲したヴァイオリン・ソナタ・ト短調。彼の夢の中で悪魔が弾いた曲を書き留めた曲。

タイスの瞑想曲(マスネ)
マスネが作曲したオペラタイスの間奏曲である。

伝説曲 op.17
ヘンリク・ヴィエニャフスキはポーランドのヴァイオリニスト・作曲家が作った曲。彼とイザベラの結婚を許さなかったイザベラの両親は、この曲を聴いて許したという逸話が残っている。

アンネ・ゾフィー・ムター(アンネ=ゾフィー・ムター)のツィゴイネルワイゼンの聞き比べ

CDを調べると
1.ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ジェイムズ・レヴァイン(指揮)録音:1992年11月、ウィーン
2.フランス国立管弦楽団 指揮: 小澤征爾 1984年録音

の二つがある。二つの演奏を聴き比べる前から、録音時間がかなり違う。レヴァインとのは8:41であるし、小澤とのは、7:47である。当然レヴァインとの方が、ゆったりとソロパートをアンネが気持ちよく演奏している。ただUn poco più lentoは冗漫になり過ぎているのではと感じてしまう。僕は小沢征爾との演奏の方が好きである。録音は、レヴァイン、ヴィーンフィルの方が新しく、一音一音がクリアである。

ツィゴイネルワイゼン サラサーテ作曲 (1878年)

スペイン生まれのヴァイオリニストであるサラサーテが作曲、ジプシー(ロマ)の旋律とも言われる。

最初の出だしがあまりにも有名で使われ過ぎてあまりクラシックファンからは好かれないのかもしれない。僕もこの出だしにはうんざりするほうだ。
これは、中盤から最後にかけてのヴァイオリンの上手さが本当は強調される作品と思うのだが。

協奏曲の3楽章に相当する3部からなる。
Moderato - Lentoここは派手すぎて感情に流れ過ぎてあまり好きになれないのだが。Un poco più lentoこの悲しい調べが好きであるそして、Allegro molto vivaceになり、急速なテンポになる。このときのピチカートが非常奇麗でうっとりする。

そう言えばジプシーと言えばダリと交流のあったフェデリーコ・ガルシーア・ロルカを思い出す。彼ははスペインの詩人、劇作家で特にジプシー歌集などが有名。1898 年生まれなので、このツィゴイネルワイゼンを聞いて育ったといってもいいかもしれない。

2007/04/23
アンドレ・プレビン指揮 ボストン交響楽団でモーツアルトのヴァイオリン協奏曲1番を見て来た。アンネ・ゾフィー・ムターの演奏を初めて生で聴いたが、演奏技術だけではなく、ヴァイオリンの響き自体がまったく桁違いにすごいことに驚いた。当然彼女の技量無くしては、出ない音だろうと思うのだけど。前から2列目で、ほとんどアンネの正面に座っていたので、本当のヴァイオリンの生の音が聞けた。それに曲目によってヴァイオリンを換えているようだ。
またプレビンが指揮しているのだが、第一バイオリン奏者とのタイミングは彼女が取っているような印象を受けた。そう言えばモーツアルトのバイオリン協奏曲の全集を彼女が出していて、指揮もしていたっけ。
プレビン作曲、ボストン初演のヴァイオリン、ダブルベースの協奏曲も良かったのだけど、ラベルのマザーグースは、プレビンらしい華やかな中に緻密な組み立てがしてあり、BSOと絶妙な組み合わせだった。
翌日も続けて知り合いの人からお誘いがあり同じ演目を見て来た。今度は、2階席の正面に座った。全体の音のバランスはよいがアンネの細かなヴァイオリンの音色は聞こえてこない。あくまで、その前日との比較であるが。クラッシックも生で聞くのがいいんだが、どこに座るかによって印象が異なるのも確かである。