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ダニエル・バレンボイム指揮 シュターツカペレ・ベルリン(ベルリン国立歌劇場管弦楽団) 2016. 2.20

Daniel Barenboim, Staatskapelle Berlin
Anton Bruckner Symphony No.9 in D minor
Mozart Piano Concerto No.23 K.482

指揮 ダニエル・バレンボイム シュターツカペレ・ベルリン ベルリン国立歌劇場管弦楽団
ブルックナー交響曲第9番 ニ短調 WAB109  ノヴァーク版
モーツァルト: ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K488

アンコール 
モーツァルト ピアノ・ソナタ 第10番 第2楽章 アンダンテ カンタービレ
                   第3楽章 アレグレット

モーツァルト ピアノ協奏曲第23番は、非常に軽く、流麗な演奏である。今日はブルックナーのティクルスの最終日でもあるのか、モーツァルトの演奏のときは眠っている人が目立った。でもモーツァルトピアノ協奏曲の中でもこれは大好きな曲である。僕にはもっとキラキラした演奏が好きなのだが、ブルックナーの前だからなのかさらりと軽やかな、すこし物足りない演奏だった。
そしてブルックナー交響曲第9番 ニ短調である。
すごかったやっぱりブルックナーは、オーケストラの力がすごい。そして感動的な指揮。それにしてもクラッシック音楽の中でもダイナミックなブルックナーの曲をこれほどまで素晴らしい演奏で見せるのはすごい。
それにしても観衆の熱狂がすごい。昔見たカラヤンを思い出すくらいである。
ブルックナー全曲見た人は感動的だろうなと思う。ブルックナーティクルスは最後の感動的な幕を閉じた。

シュターツカペレ・ベルリン ベルリン国立歌劇場管弦楽団 Staatskapelle Berlin
ドイツ・ベルリンに本拠を置くベルリン国立歌劇場附属オーケストラ。歴史が古くプロイセン王立宮廷楽団として1742年に設立された。リヒャルト・シュトラウス、エーリヒ・クライバー、ヘルベルト・フォン・カラヤンなどそうそうたる音楽監督が歴代勤めている。そしてダニエル・バレンボイムが今は音楽監督である。

ダニエル・バレンボイム
アルゼンチン出身のユダヤ人ピアニスト・指揮者。現在の国籍はイスラエル。
昔から馴染みがある。ピアノリサイタルからコンサートに行き、パリ管弦楽団の指揮を見て、そしてカーネーギーホールでウィーンフィルの指揮を見た。そして今である。
この数十年で彼はどんどんと著名な指揮者になってきた。自分にとっては非常に馴染み深い音楽家である。


ブルックナー交響曲9番 ノヴァーク版
この交響曲9番は、未完成に終わっている。ブルックナーはこの作品の献辞として、譜面にドイツ語で「愛する神に捧ぐ」(Dem lieben Gott)としている。
9番を作り始めて、1−3楽章まで作り、最後の楽章の草稿を書き始めたが、7番、8番に改定が必要だと考えその仕事が先になる。ブルックナーは、すべての交響曲の最高のものが9番になると考えていた。ところが彼の病状は悪化し、作曲に耐えられる体力も精神力も創造性も無くなっていた。第4楽章の草稿は少し残されているものの、完成はされていない。

彼の死後9番が演奏されたが、弟子でありウィーン演奏協会管弦楽団の音楽監督だったレーヴェが演奏したものは、レーヴェが独断で変更を加え、作品全体を改竄したものだった。ブルックナーの管弦楽法やフレージング、デュナーミクに後知恵を加えただけでなく、ブルックナーの急進的な和声法(たとえばアダージョ楽章の属13の和音など)を旧式に引き戻してもいる。

ノヴァーク校訂版 (1951年)[編集]
1951年、レオポルト・ノヴァークによる校訂。完成された3楽章のみの、第2次全集版として出版されたもの。実質的に1932年のオーレル校訂版と差違がない。オーレル校訂版は、ブルックナーが本当に書いた部分を再現しようと試みた最初の校訂版(第1次全集版)。

1 第1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ
2 第2楽章 アンダンテ・モデラート
3 第3楽章 アレグロ・ジョコーソ
4 第4楽章 アレグロ・エネルジーコ・エ・パッショナート
第1楽章の哀切をたたえているがエレガントな曲の流れから既に虜になってしまう。ここでこの演奏が素晴らしく虜になる。チェロとホルンの響きまたいい。第2楽章のホルンの響きも素晴らしい。さすがウィーンフィルである。三連音の動機では口ずさんでしまう。
テンポのよい響きと、立体的な音の構成がすばらしい。第3楽章の劇的な場面の演出
第4楽章の終盤の盛り上がりが涙が出る程素晴らしい。

20歳を過ぎてそれまでカラヤンが好きでクラシックと言えばカラヤンを聴いていたが、レコード店で目に留まったクライバーのブラームスの交響曲第4番を買って家で聞いてぶったまげた。世の中にこんな演奏があるなんてと思った。それ以来カルロス・クライバーのファンである。生前の生の指揮を聞きたかったがそれはできなかった。今でもそれが悔いである。

カーネギーホールとウィーン・フィル

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2007/03/11

今回、ニューヨークに行って、カーネギーホールでウィーン・フィル3日間聞いた。ウィーン・フィルは本当にすごいとしか言いようがない。カラヤンのベルリンフィルを聴いた時にこんなに美しい音がでるのかと感激したことを今でも思い出す。それ以後他のオーケストラでは味わうことがなかった。以後もベルリンフィルやウィーンフィルを生で聴く機会には恵まれない生活を送っていたからだと思うけど。ボストンに来てから久しぶりにクラシックのコンサートへ行くようになってBSOを聴いても、評判ほど音が良くないと感じていたし、サイトウキネンコンサートも小沢征爾の指揮で聴いたのだが良いのは良いのだけど.....。演目は2月にウィーンでダニエル・バレンボイムがやるはずだった演目。ただ何故かバレンボイムの都合でキャンセルになって代役がブーレーズだったとか。その後のウィーンフィルのツアーはバレンボイムが戻って来て務めていた。バレンボイムは昔パリ管弦楽団の指揮を何度か聴いた。華麗な指揮だと思ったけど、パリ管弦楽団は、やっぱりフランス人器質なのか個性はあるけど、一糸乱れぬアンサンブルとは言いがたかった印象があった。それが20年以上経ってどうなったかも気になっていた。初日のシューベルト交響曲5番は、指揮に対して少し間を取った演奏をしてすごく押さえた演奏をするのだと感じた。ブルックナー交響曲7番では、その傾向はなくなり指揮者の思う通りのタイミングで音が出ていた。名演だった。こんなにすごいのかと本当に感激した。2日目は、バルトークの演目。Lang Langのピアノコンチェルト2番の演奏。LangLangを目当てに来ていた人もかなりいたようだった。難しい曲をいとも簡単に弾くという印象だけどなんか物足りない。と感じたのは僕だけだったか。なにしろバルトークの演目は難しかった。 3日目は、シューマン交響曲4番、美しかった。ワーグナーは最初のoverture to tannhauserよりDawn and Siegfried's Rhine JourneyとPrelude to Die Meistersinger von Nurnbergの方が良かった。本当にオーケストラのダイナミズムを遺憾なく発揮していた。アンコール2曲目にラデツキー行進曲を演奏しウィーンフィルのファンには申し分のないコンサートとなった。 演奏の終了後に、一列前にいた白髪の女性が、いつもMETでオペラを聴いているけど、もう聴けない。これはすごい。Unbeatable, unbeatableと連呼していた。その時は僕も興奮していてそうだ、そうだとうなずいていた。