Chianti Classico Fontodi 2008 キアンティ・クラッシコ フォントディ
外観 濃いめのルビー色
香り スパイス、ロースト、甘い果実、ミネラル、サンジョベーゼによく香る鉄や血のような香りは控えめである。あれと言えばあるのだが、オーク樽の香りが強いためだろうか。ボルドーのようなスパイスを感じていしまう。
味わい 澄んだ味わいの中に、強いローストのアクセント、奥から見えてくる甘く完熟した赤よりはすこし黒系の果実の味わいが広がる。タンニンは滑らかでこなれている。アルコール感はあるがそれほど強く感じない。実際には14%あるのだが。酸は中等度。余韻の中にオーク樽のコーヒーのようなアクセントと凝縮した果実の味わいが長く続く。
サンジョヴェーゼ100%をトロンセ産とアリエ産のフレンチオークのバリックで12ヶ月熟成しているのだが、なぜかボルドーよりの香りを見せるのはどうしてだろうか。
ブルゴーニュのクロ・ド・ブージョなどは新樽が強くても鉄分を強く感じるのだが、このキャンティ・クラシコにはその特徴がひかえめになる。これが品種なのかテロワールなのかわからない。購入当時税込みで2000円を切っていた。それにしてもこの値段で素晴らしいパーフォーマンスである。
キャンティ・クラシコ
フィレンツェ(フィレンツェの南のグレーベあたりから)とシエナの間に広がる美しい丘陵地帯で作られる。キャンティ地方と呼ばれ、昔から品質の良いワインが生産される産地だった。
キャンティの人気に乗じて、生産地区をキャンティ地方以外にもどんどん拡大していきそれらのワインをキャンティと呼ぶようになってしまった。そこで、本来の産地であるキアンティ地方は、D.O.C.G.キアンティから独立してD.O.C.G.キアンティ・クラシコを名乗るようになった。
キアンティ・クラシコは香り高く、酸がしっかりしており、ミネラルのトーンがあり、非常に優美なワインである。
フォントディ Azienda Agricola Fontodi
1968年からマネッティ家が所有。
サンジョヴェーゼ100%
キャンティクラシコ地区の中心、Panzano in Chianti パンザーノ イン キャンティにある。
オーガニックの認証を受けている。
サンジョベーゼ種
病気に強く、あらゆる裁植法、土壌に適し、収穫量も多い。特にキャンティのような粘土質、石灰質土壌を好み、単醸すると濃いルビー色で、タンニンがあり、調和のとれたほろ苦い後口が心地よいワインになる。若い時にはスミレの香りや果実の風味があり、熟成すると酸味が弱まりエステル香がつよくなる。
サンジョヴェーゼ75% カベルネソーヴィニヨン25%
アルコール13.5%
外観 エッジまでしっかりと赤紫の色素がつまり、コアは非常に濃いガーネット色
香り 最初は酸味のある赤い果実のかおりがするのだが、その後に、ミント、熟したカシス、杉などを強く感じるようになる。
味わい これぞフルボディというほどしっかりしている。最初は果実感のある奇麗な酸が感じるのだが、その後にしっかりしたタンニンの強いすこしミントを感じる味わいを強く感じる。アルコール感も強く感じる。余韻は非常に長く、しっかりしたタンニン、ミネラル感を感じる。
不思議な味わいである。ボルドーのようなゆったりした柔らかさを感じない。カベルネ・ソーヴィニョンのしっかりした土台にサンジョベーゼが載っているような雰囲気である。普通ならカベルネ・ソーヴィニョンの下側にメルロがあるのだが。サンジョベーゼとメルロに感じる果実感は同様にあるのだが、その後にくる酸の強さがメルロではなさそうと感じさせる。アルコール感は、強い。だが、13.5%だ。時々表示が信じられないのだが。
オーナーのアミネ パクラヴァンはイランのテヘランで生まれ。作家でもある。
醸造はサシカイアのテヌータ・サン・グイドでも醸造を担当していた女性エノロジスト グラツィアーナ・グラッシーニ。


スティングがワインを作っているのを知って、2年前にはニューヨークのワインショップを探しまわったが誰もスティングがワインを作っていることを知らなかった。
その後、UK, USAで売られるようになって、日本では、まだ売らないんだろうかと思ってあせっていたがやっと手に入れることができた。最初に売り出したのが、このカジノ・デル・ヴェイの2008とシスター・ムーン2007である。どちらも一度飲んでまだまだ若かったのでどうだろうと思っていたが、カジノ・デル・ヴェイはやっと飲めるようになってきた。しかしこのヴィンテージは今ではもう手に入らないかもしれない。
そう言えば、これは、ジェロボアムのサイトではキャンティクラシコと書かれているが、DOCGのいつもシールが貼られていない。どうしてだろう?エチケット見れば,IGTである。それならシールはつかない。念のため本当の表エチケット(説明が書いてある)を掲載する。ここで感謝したいのは、気を利かせて日本の輸入元のシールがこのエチケットと重ならないように貼ってあることである。
スティングのサイト http://www.palagioproducts.com/the-wine/では,カジノ・デル・ヴェイとシスタームーン以外にフェンウィダンスという新しいブランドのキャンティの2010が売られている。以前のヴィンテージは既に売り切れている。
カジノ・デル・ヴェイは、19世紀に建てられたイルパラジオの農場の建物の名前。道ばたの小さな家と言う意味だが、他に、the muddling of the ways 直訳すると人生が逆さまになるくらい混乱に陥いるということだが、人が生きて行く道のりの中での哲学的な瞑想を行うことを意味しているらしい。人生の中で総て見失い、混沌としたとき、人生が逆さまになるくらいに感じる時に、一杯のワインを飲むと、心を落ち着かすことができるということか。
さすがスティングらしいネーミングである。このボトルだけは、スティングの曲のタイトルではない。
ラベルの絵は、カール・カーソニィーが、ボトルの上で指一本でバランスをとって文字通り逆立ちをしている。カーソニーは、1940から1950年代にラスベガスや世界中で活躍した曲芸師である。このエチケットの写真は、カーソニーが、ラスベガスのサハラホテルのてっぺんで逆立ちをしたときのものである。
外観 エッジにオレンジがあるガーネット色
香り プラム、ヴァニラ、甘い木樽、ハーブ(ナツメグ、シナモン、黒胡椒などなど)
香りが開いたときのハーブの豊かさと樽の香りのバランスがよい。
味わい ネットリとした甘さを感じる。その後熟した果実、タンニンが口の中に広がる。余韻に甘さ、タンニン、そして隠れていた酸がありそのバランスの良さを感じる。上品な作りをしたワインである。
アルコール度数13.5%
ぶどう品種 サンジョベーゼ 100%
これは以前にあけて、まだまだ若いと思ってとっておいたワイン。本当はスティングのワインだから、もっと早く飲みたかったのだが。デカンタをすれば今でも飲めるし、まだ2−3年はとっておいても大丈夫だろう。スティングやトルーディーがサイドビジネスで作ったワインとは思えないほどの上出来なワインである。
実は、スティングのワインやオリーブオイルを買いたくて知っているワインショップに入れてもらったのである。
まだシスター・ムーンはあるみたいだ。でも僕ももう少し買っておきたいんだけど。
オー・ボン・ブルゴーニュ
営業時間:11:00~21:00/定休日:月曜日
〒466-0827 愛知県名古屋市昭和区川名山町93-24 広辞川名山ビル1F
TEL:052-831-5505 FAX:052-831-5506
E-mail:info@abb2005.com
URL:http://www.abb2005.com

外観 濃いめのガーネット色
香り 濃いめの新しいハーブ、軽いユーカリ、甘い熟した果実、黒胡椒など
味わい やや甘めの味わい。 余韻にシルキーなカベルネのテキスチュアーを舌に感じる。そしてトロッとした甘い液体とアルコール感が上顎に感じる。不思議な味わいである。
これをブラインドでだされたら、スーパータスカンか、スペインと迷うんじゃないかな。果実観が強く、ニューワールドの雰囲気もあるけど。それでもイタリア、スペインを考えるワインか。
アルコール 13.5%
生産地:イタリア/トスカーナ
葡萄品種:カベルネ・ソーヴィニヨン90%、サンジョヴェーゼ5%、メルロ5%
1980年初リリースのサンマルコは、カベルネ・ソーヴィニヨン主体でスーパータスカンの先駆けです。平均樹齢25-30年、サンジョヴェーゼは3000Lのスロヴェニアオーク、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローは225Lバリックで12ヵ月樽熟、瓶熟5-8ヵ月されます。畑は海抜360mの南向きの斜面にあり、小石の多い、泥灰質で少し石灰、粘土を含んだ土壌です。
ランポッラのワインが生産されているS.ルチア・ファウッレ畑は、"CONCA d'Oro"(黄金の谷)と言われるパンザーノ渓谷南部に位置し、1739年以来デイ・ナポリ・ランポッラ家が所有しています。葡萄栽培面積は35ha。標高290mから380m。土壌はガレストロ(礫・砂質沖積土で小石が多く程よく粘土を含む石灰質土壌)。畑は南・南東・南西向き。ダルチェオ用、サンマルコ用、キャンティクラシコ用、白ワイン用とそれぞれの区画が分かれています。1994年からビオディナミを実施しているため畑はふかふかで、畝と畝の間には一行間隔でルッコラなど19種類の草花を植え土壌を活性化しています。
サンマルコとダルチェオは、同様にスーパータスカンで、
ダルチェオは、カベルネ・ソーヴィニヨン85%、プティ・ヴェルド15% ですべてフランス品種であるが、サンマルコは、カベルネ・ソーヴィニヨン90%、サンジョヴェーゼ5%、メルロ5% とサンジョベーゼが5%のみ使用されている。
ダルチェオのほうが、パーカーで高得点をつけたことからか、サンマルコの3倍くらいの値段がついている。

サンジョヴェーゼ 40%, カベルネ・ソーヴィニヨン 30%, メルロー 30%
外観 エッジが紫がかったガーネット色
香り すみれ、ミント、甘い果実、スパイス、高級感のある新樽の香り、ヴァニラなど
味わい 最初に甘い柔らかい果実が広がる、酸もあるが後半にどっしりとした豊かな果実の味わいがあり、最後に細かなタンニンがくる。アルコール感もある。
さすがスティングである。しっかりと作り込んだワインである。スティングの名前で売るワインではなく品質で勝負している。しっかりとお金がかけてあるワインである。ワイン単体としても十分に美味しく値段相応のワインである。
"エステートのトップワインの名前にもなったスティングの曲、「Sister Moon」は長い年月をかけて築かれてきた地球、月、自然と人間の関係性を反映しています。"
ということらしい。

二日続けてイタリアのスーパータスカンをブランドで飲んだ。これはいい勉強になった。
外観 エッジにオレンジがかかったガーネット
香り 最初は閉じていたが、スミレ、チョコレート、ヴァニラ、シナモン、ミント、甘い果実。何と言うか甘い飴なのにハッカのようなスパイスが混じっている印象を受ける。
味わい 甘いリキュールのような舌触りで始まり、濃い果実感が広がる。濃厚である。その後、タンニンを口の中全体に感じる。スパイスも広がる。余韻はミネラルも強く長い。香りと同様に甘い飴を食べているんだが、ハッカのようなスパイスが混じる。
この味わいは、やや好みが別れるだろう。確かにサンジョベーゼにカベルネ・ソーヴィニョンを混ぜているんだが。この違和感のような味わいが弱点か。
デカンタすれば、今でも十分飲める。ただ、本当の実力はもっともっと後なんだろう。2004年はブルネロ・ディ・モンタルチーノは良い年だが、キャンティにはあまり良い年でなかったようだ。地域的にはかなり近いのに、ここがまだまだイタリアワインの難しい所だ。
品種 85% Sangiovese, 10% Cabernet Sauvignon and 5% Cabernet Franc.
アンティノリ
トスカーナ地方の名門アンティノリ家。トスカーナ地方のキャンティ・クラシコ地区を中心に数多くのぶどう園を所有。スーパータスカンとして有名なティニャネロ、ソライアなどを生産する。
アンティノリのサイト
アルコール 13.5%
フレンチオークのバリックで、樽熟成
2004は、天候があまりよくなく、比較的涼しい気候で雨量が多かった。
ティニャネロは、1970年にキャンティクラシコレゼルバとして作られた。その時期は、20%カナイオーロ、5%トレビィアーノとマルヴァージアが含まれていた。1971年から、VDTとなり、キャンティクラシコの範疇を外れる。1975年から白ぶどうを排除し、1982年から現在の80%サンジョベーゼ、15%のカベルネ・ソーヴィニョン、5%のカベルネ・フランとなる。ティニャネロは、1972、1972、1974、1976、1984、1992、2002のヴィンテージは作られていない。
Tignanello Estates
ティニャネロとソライアで有名なテヌータ ティニャネロは、フローレンスの南30kmの、まさにキャンティクラシコの中心のグレーヴェとペサの谷の間にあります。

トスカーナIGT
カベルネ・ソーヴィニヨン60 %、メルロー30 %、サンジョヴェーゼ10 %
エッジがややオレンジがかった中等度のルビー色。どこなく甘い樽の香り、ほどよく熟成感がある黒系と赤系の果実が混じった豊かな香り、アニス系のスパイスを感じさせる。果実味が豊富、程よい酸とタンニンが乗っている。最後にどことなく甘さを感じる完熟した果実から作られたワインの印象。ブラインドは、スペイン、メルローと答えた。まだまだ。12/16/2010 テイスティング