Wine in movies 映画に登場するワイン

映画に登場するワイン

映画の中には、ワインが小道具で使われることが多い。ワインはやっぱりお洒落だしロマンがある飲み物であるから。そして非日常的な印象も強く与える。映画の中に登場したワインに関する本も一杯出版されているが、僕もワインを勉強し始めて、自分ながらに映画とワインに関する知識やウィット増やして行きたいと思いこのページを作った。 ここは新しい映画を見るたびに徐々に内容を増やして行くページです。 ですから比較的新しい映画もしくは比較的最近見た映画から順に掲載しています。

失楽園 1997
シャトー マルゴーは、2度映画出てくる。最初は、どこかのマンションで、そして最後の心中のシーンでも。どちらも鴨とクレソンのなべである。んーーこれとシャトー マルゴーとマリアージュできるだろうか?映画ではマルゴーのヴィンテージが出ていないのでなんとも言えないのだが。それにしてもワインの扱いは雑である。最初はシャトー マルゴーを手さげ袋に入れて買ってきて、小さなグラスで飲んでいる。これでは美味しくなさそうである。

脳内ポイズンベリー Poison Berry in My Brain 2015
櫻井いちこが川上礼子の家に訪問した時に、ルイ・ラトゥールの白の瓶がテーブルに置かれている。礼子はシュナン・ブランはないかと夫に尋ねるが、それほもう飲んでしまったと答えている。なぜシャルドネの瓶を出しながらシュナン・ブランの話をするのか全くわからなかった。


Batman v Superman: Dawn of Justice バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 2016
ブルース・ウェインが飲んでいたのは、シャトーマルゴー 1945。世紀のヴィンテージである。アルフレッドが、ウェイン家のセラーが空になると嘆くのも仕方がないか。

High Society 上流社会 1956
サマンサ(グレース・ケリー)がよく飲んでいるシャンパーニュは、エチケットに斜めに入る赤い帯が目印の、G.H.マム コルドン ルージュ。F1でのシャンパンファイトで有名で、モナコ王妃になるグレース・ケリーにちなんだのか。

ソフィーの選択 Sophie's Choice 1982
ソフィーは、1927シャトー マルゴーを飲みながら、人は善良に生きて死んだら天国ではこんなワインが飲めるんだろうと話す。彼女の今までの人生を知ると彼女の言葉がしみじみとわかる。ほかにもシャンパーニュを開けるシーンがある。ブルックリンの端の上で、シャンパーニュ開けて乾杯し、そのグラスを川に投げるシーンは本当に印象深い。ビールはバトワイザーだったか。

Le Week-End ウィークエンドはパリで 2013
ホテル プラザアテネであけるシャンパーニュはランソンのハーフである。他のレストランで白を開けているが、すこし横に向いていてわかりにく。おそらくブルゴーニュの白と思うんだが。他はエチケットはでてこないが、かなりワインを飲んでいるシーンが多い。

To Catch a Thief 泥棒成金 1955
黒いボトル、キッシュロレーヌと合わせている。クーラーで冷やしているからアルザスの白とと思うんだけど、ワインは茶色の色合いなんだが。プロバンスのロゼワインかとも思うんだが、このころのヒッチコックが出してくるワインはみんな色が茶色かった気がする。

The Lady Vanishes バルカン超特急 1938
雪に閉ざされたホテルで若い女性がパーティをするのだが、シャンパーニュのマグナムを頼む。全くおしゃれである。ヒッチコックらしい。1938年でそんなことができるなんて。シャンパーニュはモエ・シャンドンである。

ルパン三世 2014
ルパンが持っていた赤ワインのボトルにはアルセーヌと書いてある。これはシャトー ル・パンのパロディだろう。ル・パンは松の木の意味。発音はこちらの方が日本のルパンに近い。本当の怪盗ルパンの発音は、リュパンだろう。

Hannibal ハンニバル 2013 TV Series
レクターがグルメだから当然ワインがでてくるが銘柄は隠してある。ワインのぶどう品種ビダルが料理に使われたりビダルの白ワインがである。羊たちの沈黙ではキャンティだった。

Jack Ryan: Shadow Recruit エージェント:ライアン 2014
ジャック、キャシーそして相手のロシアのスパイがレストランで飲むワインはオーブリオン1989だ。これをジャックががぶ飲みして酔っぱらうふりをする。

Third Person サード・パーソン 2013
スコットが入ったカフェアメリカーノで、モニカが飲んでいたのはレモンチェッロ。スコットも頼むのだが。イタリアらしい飲みものである。

L'Écume des jours Mood Indigo ムード・インディゴ~うたかたの日々~ 2013
映画にでてくるワイン コランの家で飲んでいるシャンパンは、アヤラ。もう一つは、新婚旅行のピクニックで飲む黄色いエチケット 赤ワインのシャトー・ドーザック(Chateau Dauzac)である。

Stoker イノセント・ガーデン 2013
ブルゴーニュのワインが何度も出てくるのだが、銘柄ははっきりしない。黒いエチケットだからカミュかドミニク・ローランと思うんだが。

Promised Land プロミスト・ランド 2012
最初のシーンでスティーブが、上司と飲むワインはシャトー マルゴー。もう一本と言っていたので、2本目のマルゴーだろう。ちゃんとボトルも出てくる。何年のかはわからない。ただ、これは大企業の金持ち度をひけらかしているように使われている。

Gambit モネ・ゲーム 2012
映画に出てくるのはシャンパン。リムジンの中で飲むのは、ボランジェ・グランダネ Bollinger La Grande Annéeでいいだろう。もう一つホテルであけたシャンパンは 黒いボトルに金の縁取りがしてあるのだが、これはわからない。

Les saveurs du Palais 大統領の料理人 2012
出てくるワインは、最初に大統領に出した料理が成功したときに開けたシャンパンがクリスタル 大統領が好きなワインらしい。大統領が調理場に来て二人で飲むワインは、シャトー ラヤス1969大統領の出身のロワールの料理のときに話でてくるのは、ユエのヴーヴレ、ダギュノーのシレックス、ニコラ・ジョリーのクール・ド・セランである。

The Killing キリング/26日間 (2011- ) ファーストシーズン
やっぱり原作がアメリカではないからなのか、ペトリュス 1977を1シーズンの最後のエピソードでダレン・リッチモンドが開けている。

Comme un chef シェフ! ~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~ 2012
映画の最初に仔牛のブランケットにラングドックのフォジェールの赤を飲もうとしたお客にジャッキーがこれには2003年のミュスカデがあうと進める。そしてフォジュールが飲みたいんだったらと仔牛のブランケットの料理を下げてしまう。ブランケットは、肉を煮込んで小麦粉や生クリームで白く仕上げる料理法。肉は赤と言うわけでなく、生クリームなどをつかっているなら、やや濃いめの白だろう。舞台はビストロ風だから安いミュスカデの2003年を選んだんだろう。最初階段に座って飲んだワインは、マルゴーだ。 風味がないなんて言っている。そして61年のシュヴァル・ブランがでてくる。グラスに入っているワインの色は明らかに違うと思うけど。このヴィンテージのシュヴァル・ブランが出てくるのは、サイド・ウェイだ。そしてペトリュス。なるほど監督はボルドー右岸が好きなんだろう。

Salmon Fishing in the Yemen 砂漠でサーモン・フィッシング 2011
二人がランチをするところででてくるシャンパンは、モエ・エ・シャンドン。ランチしては、ボトルで頼んでいる。ちょっと不思議。ハリエットが中国人と交渉して久しぶりに中国語をしゃべったお祝いにシャンパンを開けた。フレッドは、ええ!。アルコールは週末にしか飲まないし、シャンパンを昼間から飲むのと驚いている。確かにイギリスでもシャンパンを昼間から普通の日に開けるのはあまりないだろうな。

Le Havre ル・アーヴルの靴みがき 2011
マルクスがポケットにあるお金を見て、赤のグラスワインと卵1個のオムレツを頼む。そこにモネ警視が来て、ドメーヌ クルビサック 2005年 と注文する。
このドメーヌ クルビサックは、アルザスで自然派で有名なマルクテンペが南仏のミネルヴォアで作る赤ワイン。ワイナリーの共同経営者は、ドイツの映画プロデューサーであるから、その関係でこの名が出たんだろうか。それにしても2005年はフランス全土で天候が良かった年で美味しそうなワインである。
ほかにモネ警視は、カルヴァドスを良く注文している。これは、当然ル・アーヴルのあるノルマンディーの特産のリンゴから作られるブランディーである。

モテキ TVドラマ 2010
第6話で島田の結婚式の二次会にロマネ・コンティのボトルがある。藤本が酔っ払って瓶を持っている。飲むシーンはないけど。

How to Steal a Million おしゃれ泥棒 1966
映画に出てくるのはシャンパンが多い。特にシャルル・ボネが、シャンパンを飲んでいるシーンがよくある。しかしエチケットははがされているようだ。それでも父が吹き出したシャンパンをオードリーが飲んでいるシーンがある。これは笑った方がいんんだろうか。最後に、ニコラとデルモットがリッツで、ドンペリニョンを注文している。

Safe House デンジャラス・ラン 2012
最初にトビン・フロストが機密情報を得る時に飲むのがペトリュス1972。ただ映画のなかでボトルのエチケットを見せないので、空き瓶も手に入らなかったんだろう。トビン・フロストが昔の仕事仲間とワインを飲みかわすときには、フロストの好きな銘柄らしいが、はっきりとコメントがない。
そしてトビン・フロストが死ぬ間際にピノ・タージュは、素晴らしい香りだとつぶやく。ピノ・タージュは南アフリカ独自のワインに使われる品種。これはピノ・ノワールとサンソーの交配品種。

Ingenious 逆転のメソッド 2009
最後にジーナの家で振る舞われるシャンパンは黄色のエチケットのヴーヴ・クリコのマグナム

007 The Living Daylights リビング・デイライツ 1987
ただのボランジェでなくて、ボランジェのRDがいいという。実際には映画では登場しないが。シェークしステアしないウォッカ・マティーニを頼むのいつものボンドらしい。

Goldfinger 007 ゴールドフィンガー 1964
登場するワインは、53年のドンペリニョンである。これに対するコメントが飛びきりいい!! 華氏38度(摂氏3.3度)以上で飲むのはよくないことだよ、ビートルズを耳栓なしで聞くのと同じようにね。それにしても3.3度は冷え過ぎである。これならどんなシャンパーニュを飲んでも同じ味がするだろう。

From Russia with Love ロシアより愛をこめて1963
ジェームス・ボンドがおそらくオックスフォードの川のほとりでデートをしている。横をパンティングしている船が、テーマソングを流している。そこで冷やしていたシャンパーニュを引き上げるのだが、それはテタンジェ・コント・ド・シャンパーニュだった。そしてオリエント急行で舌平目のグリルに合わせてブランド・ブランをオーダーするとテタンジェ・コント・ド・シャンパーニュが出てきた。全くおしゃれである。そして諜報員になりすましたレッド・グラントがキャンティを頼むのである。あとで襲われた時に、そうか魚にキャンティを合わせるやつなんだと一人わかったようにつぶやく所がおかしい。

Midnight in Paris 2011 ミッドナイト・イン・パリ
ワインの試飲会でテーブルに置いてあったのは、オーブリオン。イネズの友達が言っていたワインのヴィンテージは61年。59年と比較していた。ダリとギルが出会ったバーではデュクリュ・ボカイユが置いてあった。

Roman Holiday ローマの休日 1953
ジョーのアパートでワインを飲むシーンがあるのだが、最初はボルドーだろうか?
次は藁で包まれたキャンティだ。懐かしい。フィアスコのボトルである。
カフェでは、アン王女が当たり前のようにシャンパンを頼む。そしてでてくるグラスは古いお椀型のグラスである。

Arch of Triumph 1948 凱旋門
これはワインではないが、カルバドスがでてくる。イングリッド・バーグマンとシャルル・ボワイエが雨の中橋の上で出会い、近くのカフェに行く。シャルル・ボワイエが、バーグマンに身体を温める為にカルバドスを進めるシーンが印象的である。

Amélie 1982 アメリ Le fabuleux destin d'Amélie Poulain
ルノワールの絵を模写する骨がガラスのような老人がアメリにヴァンショーを渡たし、クッキーをヴァンショーにつけて食べているシーンが印象的である。

The Lion in Winter 冬のライオン 1968
スパイス入りの暖めた赤ワインをアリースがヘンリーに飲ませるシーンがある。しかしワイン好きとしては舞台がシノン城であること。そして、ボルドー、南西地方を所有していたアリエノール・ダキテーヌがイギリスの王妃だった頃の設定が興味深い。3人の王子を閉じ込めたのはシノン城のワイン蔵である。

Rear Window 1954 裏窓
やっぱりヒッチコックの映画にはワインがつきものである。それもこの映画のワインが一番すごいと思うんだけど。
グレース・ケリーが演じるリサ・キャロル・フレモントがケイタリングを頼んだのは、今でも存在するニューヨークで有名なレストラン21である。彼女がもってきたワインはモンラッシェである。黄色のキャップシールなので、ジョゼフ・ドルーアンのモンラッシェ マルキ・ド・ラギッシュじゃないかと思うんだけど。ただ、つがれたワインの色がやや茶色を帯びていたので、当時のモンラッシェが酸化熟成したものが提供されていたのが普通であることがわかる。

A Heavenly Vintage 2009 The Vintner's Luck 約束の葡萄畑 -あるワイン醸造家の物語
これは、ニュージーランドの作家エリザベス・ノックが書いたブルゴーニュのあるワイン醸造家の話。ワインの畑で天使と出会い、ここにぶどうの木を植えなさいと言われる。赤ワインがテーマ。有名なワインは出てこないが、醸造についてのエッセンスが多く語れている。

The Girl with the Dragon Tattoo 2011 ドラゴン・タトゥーの女
ヴィンテージはわからないが、ボルドー ポムロールのシャトー クリネ。マーチンが女性と飲んでいたワイン。このあと女性がどうなったかは?

Letters to Juliet 2010 ジュリエットからの手紙
この映画には特別なワインは登場しないが、舞台は、イタリアのヴェローナ、シエーナである。どちらもワインに関係が深い町である。イタリアワインを飲みながら二人で見るにお勧めな映画。

サイドウェイ Sideway
1961 シュバル・ブラン Cheval Blanc アメリカの映画ではシュバル・ブランが出てくる事が多い。失意の主人公がビックバーガーで隠れて紙コップで飲む。もっとふさわしい場所と相手が必要なのに!

シャーロック・ホームズ 2010 Sherlock Holmes
シャトーマルゴー Château Margaux ホームズが睡眠薬入のワインを飲まされる。ヴィンテージは1855だったけ?

プロヴァンスからの贈り物 a good year
バンドール マックスが子供時代に水に薄めて飲んでいる。この小説のテーマはガレージワインでもある。幻のワイン:ル・コワン・ペルデュは、今では、撮影のあったシャトー・ラ・カノルグで売られている。

ボトルショックBottle Shock 200
映画では、そのパリのワインの試飲対決を開催したアカデミー・デュ・ヴァンのスティーヴン・スパリュアと白ワインの部門でフランスに勝ったシャトー・モンテリーナの社長ジェイムス・バレットと息子のボーそしてそこで働くメキシコ人のグスタボ達の出会いと試飲対決で勝つまでが描かれている。

Mondovino 2004 モンドヴィーノ
これは、全くワイン作り、販売の映画で映画の中にワイン出てくる訳でなく、ワインの為の映画である。ワインの初心者に少し解り難いが、ワインを勉強し始めた人には、すごく面白い映画である。監督が訴えいたいのは、最近はテロワールを重視しないグロヴァリゼーションによる均一化したワインが多く売られるようになってしまったことである。

Dialogue avec mon jardinier 2007 画家と庭師とカンパーニュ
映画の中で、サンテミリオンのChâteau Angelus 1982 が出てくるが、今は素晴らしくなったAngelusだが、1982のパーカーの点数は77と良くない。映画の中で美味しそうなんだが。1982は素晴らしいヴィンテージなのだが。

Ratatouille 2007 レミーのおいしいレストラン
映画の中で、二つのワインが出てくる。二つのも素晴らしいヴィンテージである。今では、伝説のワインである。
Chateau Latour 1961 シャトー ラトゥール
リングイニがシェフのスキナーとオフィスで話す時に飲むワイン。美味しいワインを出して秘密をしろうとしたのだろうが。 伝説のワインになりつつある。1961のヴィンテージのラトゥールなんて一体今いくらするんだろう。パーカーも"私が試した最上のワインのひとつであることは確かだ"と言っている。
Chateau Cheval Blanc 1947 シャトー シュヴァル・ブラン
批評家のエゴが持ってきたワイン。これも凄い。素晴らしいヴィンテージのシュバル・ブラン。このワインも伝説のワインである。よだれが出る。どうしたらこんなワインが飲めるだろう。

他には、当然 007では、ボランジェなどシャンパンが一杯出てくる。

カサブランカで出たシャンパンはマム社のコルドン・ルージュ・ブリュット

映画ではないがディケンズの小説の二都物語では、印象的なワインの話が出てくる。
A Tale of Two Cities Charles Dickens 二都物語 ディケンズ 1859
小説の中にワインショップの章がある。その頃はワインは樽で買っていたのであろう。運び入れる途中にワインの樽が落ちて、通りを転がり割れてしまった。通りがかり人や住人が我先に通りの石畳の周りにたまったワインを手ですくっては飲む光景が描かれている。これはフランス革命の前の、暴動が最初に起こったサン・アントワンの町での情景である。ここには、革命前のあやしげの雰囲気が、細かく入念にディケンズのタッチで描かれている。赤ワインが血のイメージであり、ここの住人が貪るように飲むのシーンがやがて起こることを案じてしている。このワインショップでワインを飲むシーンが物語の重要な鍵をもつ。

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