カーネギーまで行って、ポリーニを聞いた。プログラムには、2日前に亡くなったロストロポービッチを追悼する折り込みが入っていた。コンサートの演奏前には、ポリーニがこの演奏をロストロポービッチに捧げるとのアナウンスがあった。
ロストロポービッチは最近聞いていなかった。20年以上も前に、チェロのリサイタルなど日本に来た時に数回聞きにいった覚えがある、あの頃からも偉大であった。ポリーニも、20年以上も前からすごいテクニックの持ち主として絶大な人気があった。さて彼は、今でもテクニックだけで冷たい演奏をするのだろうか?と思いながら聞いた。彼の得意とするショパンの曲から始まり、ドビッシー、ブレーズと演奏した。彼の音楽に対する真摯な姿勢が伝わってくるすばらしい演奏だった。アンコールの最後の最後に、"別れの曲"12 Etudes op.10-3 E-dur "Chanson de l'adieu"を弾いた。当然ロストロポービッチのために。美しくやさしくそして悲しい雰囲気に満ちた名演だった。
以前の技巧派だけのポリーニからは、ずっとずっと味がでて良くなっている。もっとポリーニの演奏が聞きたくなった。
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