久しぶりにポリーニの演奏を聴いた。カーネギーホール以来だから5年ぶりである。今回は健康面で問題があり、東京以外のコンサートはキャンセルになったようだが、サントリーホールの演奏は完璧だった。さすがポリーニである。
シュトックハウゼンは、楽譜めくりに注文を付けるほど厳格に音を出していた。
それに比べ、ベートーベンは軽々とピアノソナタを引き続ける。一つ一つの音に意味がありそのつながりが素晴らしく、またワンフレーズ毎に意味がある。演奏全体はまるで球体であり、そしてここの音の連続に凝縮された意味がある。素晴らしい。
シュトックハウゼン:
ピアノ曲VII
やや散漫的な音が続くのであるが、後の曲に比べると不安感は少ないがそれでも何かがこれから起きるような不安な気持ちを感じさせる。これは、後の曲を嵐の始まりとするとこれは、その予兆のような雰囲気がある。
ピアノ曲IX
冒頭の和音の連打が嵐のはじまりを感じさせる。全体の曲も何方かと言えば暗く、これから何かが起こるような気持ちにさせる。
シュトックハウゼン:
ピアノ曲VII
ピアノ曲IX
ベートーヴェン:
ピアノ・ソナタ第24番 嬰ヘ長調 op.78 「テレーゼ」
ピアノ・ソナタ第25番 ト長調 op.79
ピアノ・ソナタ第26番 変ホ長調 op.81a 「告別」
ピアノ・ソナタ第27番 ホ短調 op.90
Encore
ベートーベン:6つのパガデルより
変ホ長調op.126-3
ロ短調op.126-4
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