ボブ・ディランのライク・ア・ローリング・ストーン Bob Dylan Like a Rolling Stone
1965年7月にリリースされた曲でボブ・ディランの最大のヒットソング。しかしこの曲が反体制的で社会非常性があるように言われるけど、実際はそんなことはないだろう。かつて上流階級に属していた女性の転落を描いたというよりは、彼がアンディ・ウォーホルから奪ったイーディ・セジウィックに対して歌った曲だ。彼女に対して切々と歌っている。
この曲がヒットしたことと、その後の彼女の人生を考えれば、この曲が彼女んどのように影響したかがわかるだろう。
歌詞の中でAt Napoleon in rags and the language that he usedなどは、アンディ・ウォーホールを指している。
イーディ・セジウィック(Edie Sedgwick)は、アメリカのファッションモデルで女優。
1944年にカリフォルニア州サンタバーバラの名門セジウィック家の8人兄妹の7番目に生まれる。父は牧場主で非常に厳格だった。1957年拒食症になり、1962年に精神病院に入院。その後美術を学ぶためにマサチューセッツ州ケンブリッジに行き、1964年にはマンハッタンに移る。パーティーに明け暮れる日々を送り、社交界では有名な女性となっていた
1965年にアンディ・ウォーホルに出会う。そしてウォーホールの映画に出るようになる。イーディーはポップカルチャーの最前線に立ち、その独特なファッションとともにヴォーグやライフなどで取り上げられた。
その後、彼女は、ボブ・ディランとの付き合いを始めた1966年に分かれる。ドラッグをしていた彼女は、火事を起こす。その後ドラッグに溺れて、精神病院の入退院を繰り返し、1969年に結婚するが1971年に薬物の過剰摂取で死亡する。
彼女の人生は当然栄光と転落のように思えるが、生い立ちから彼女の中にある心の葛藤があった。あの頃のアメリカ社会ではドラッグは社会的なステイタスでもあったから溺れていったのはたしかだろう。アンディ・ウォーホルとボブ・ディランの狭間で揺れた心は、どちらにも捨てられる形になったのだろう。その後の彼女の顛末は、この歌こそが不吉な予言をしているようである。
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