Château d'Yquem 1990 シャトー ディケム

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:
CI90.jpgセミヨン80%、ソーヴィニョン・ブラン20%
どうだろう、貴腐ワインの思って香りかぐと、あのいやらしいセメダインのような香りがない。ふくよかで複雑な熟した果実が香る。味わいも貴腐ワインの強く甘い印象もない。だからといって酸味がぐっと来るわけでもない。
これがいわゆるバランスがすばらしく良い球体と言われるものか。
美味しいのは確かだが、期待したものと印象かなり異なる。また飲む機会があれば、もっとゆっくり味わいたいものである。なかなかイケムだけで味わう機会がないのだが。
セミヨン80%、ソーヴィニョン・ブラン20%
場所
ソーテルヌ地方の中心部に位置するイケムは、たくさんの第一級シャトーに囲まれた畑を見下ろす小さい丘の頂きに雄大に広がっている。
格付け
1855年の格付けの際、白ではソーテルヌとバルザックだけが格付けの対象になった。この時、「イケム」は優れた品質により、唯一特別第1級に選出。
概要
世界最高の極甘口白ワインである貴腐ワインの生産者として知られている。ぶどう品種は、セミヨン80%、ソーヴィニョン・ブラン20%で、ぶどうは粒単位で丹念に手作業で選別され、オークの新樽で3年熟成された後瓶詰めされる。品質保持は厳密に行われ、ブドウの樹齢を高く保つことや生産を制限する為の手入れ、ここの畑から注意深く選ばれた接木を使っての2種類のぶどうの品種改良、畑に何回も通って房の中から完熟した貴腐果粒だけを摘むという特殊な摘果方法、絶対的な補糖拒否、全てオーク新樽使用、完璧さを維持する為に不作の年はイケムの瓶に詰めないスタイルを取っている。
イケムの偉大さとユニークさにはいくつかの要因があることは間違いない。まず第一に、固有の微気候を伴う完璧な立地条件がある。第二に、リュールサリュース家は、97Kmにも及ぶパイプを用いた精巧な排水システムを設置した。第三に、イケムには、経済的な損失やトラブルを斟酌せずに、最も良質なワインだけを生産しようという狂信的とも言える執念が存在する。(ボルドー パーカー著より)
1990 イケム
この力強い超大作のヴィンテージのなかで並外れた労作といえるイケムの1990年は、ボルドーのとびきり甘いワイン・ヴィンテージの有名な三部作、1988年、1989年、1990年のなかで最も豊かだ。このワインはまた、少なくともその成長段階において、ほかの多くの1990年ものよりもエレガントさとフィネスを備えている。中くらいの黄金色の色合いに伴って、蜜のようなトロピカル・フルーツ、桃、アプリコットの並外れた甘いノーズがある。高品質で、微妙な、トーストしたようなオークの個性が見事に統合されている。
味わってみると巨大で、果実味を帯びた、強くて、ブドウが熟したときのボトリティス菌の層がある。驚くほど良好な酸と、均一なフルボディの力強さと豊かさが見事に調和し、純粋である。このワインを1989年や1983年のような巨獣(ビヒモス)と比較してみたくなる。これは確かに、私が試飲したことのある最も豊かなイケムのひとつであり、50年から75年の潜在的な寿命を持っている。
1989年や1986年よりも速いペースで成熟するに違いないが、これらのワインはすべて50年かそれ以上は優にもつであろう。(ボルドー パーカー著より)
My Rating(評価): 14/20
アクセス数:111