
アカデミー・デュ・ヴァンのstep2のクラスで最優秀でもらったワインでもある。本当なら時期のstep3が無料になった方がよかったのだが。今期からそのシステムがなくなってしまった。一番になる気はなかったので、気軽に受けた試験だったが、最優秀になってもらったワインがこれだったので、印象に残っていた。本当ならシャトーマルゴーくらいもらってもよかったのにと今でも思っているんだが。
もらったワインは、2008でまだまだ飲めず、1992がオフヴィンではあるが安かったので、まずこれから飲んでみようと思って開けた。
外観 エッジにオレンジがある濃いガーネット色
香り 開けたては、トスカーナのワインに感じる強い果実、ローストした樽の香りがある。アルコールが強く感じる。時間をおいて開いてくると土の香り、青い草の香り、ブレットが全面にでてくる。これならボルドーのワインである。
味わい 強いタンニンとアルコール感が最初にあり、その後にねっとりとした甘さを感じる味わいが口の中に広がる。その後スパイスが口の中に広がりタンニンとともに余韻が長く続く。
これは、飲んでいて飲み疲れする。しばらく冷蔵庫に入れて飲んだが、すこし熟成して柔らかさが出たが、それでも強い濃縮感と他のバランスが悪く、最初の印象とあまり変わらなかった。
本当は、いい作り手なのに、1992年はという悪い年はこの人の目指すところの作りに合わない。アルコール感や凝縮感が目立つが、果実感がない。というのは僕のワインの先生の弁。
テルトル・ロートブッフは、サン・テミリオンの他のシャトーより収穫を遅らせて完熟させたぶどうを使用し、長期発酵により良く熟成するワインが造られます。マロラクティック発酵は新樽で行い、熟成はバリック新樽で16~18ヶ月行います。ブレンド比率はメルロ80%、カベルネ・フラン20%。
パーカー、ボルドー4版から
作付け面積は、メルロ85% カベルネ・フラン15%
1980年代半ばにこのシャトーが表舞台に登場して以来、フランソワ・ミジャヴィルは、格別なワイン醸造のスキルと才能によって、ボルドーで最も豪華で肉感的でセクシーなワインを作って来た。その豪奢な芳醇さと、間違えるようのないジャムのような舌触りで、このワインはひどく欲望をそそる。また、ローストしたコービーのアロマによってこのワインを特別なものとしている。誰もがそのように考えがちだが、ル・テルトル・ロートフッフはいわゆるサン・ミリオンの主流となっている現代的な醸造法の一派ではない。このワインは、無類の独特なスタイルを持ち、今日まで模倣されたことがない。
残念なことだが、私たちが生きているのは、営利本位の世界であるから、ワインの世界にフランソワ・ミジャヴィルのような人物がこれほど数少ないのも十分に納得がいくように思われる。名のある生産者にも、途方もないレベルまで収量を引き上げてしまう者は数多く、その結果、シャトーのテロワールというコンセプトは破壊の危機に瀕し、ヴィンテージの個性も弱くなりかねない。その一方で、可能な限り最上のワインを作り出す才能を持ち、また、その為に執念を燃やす男がいることを思うと清々しい気持ちになる。
1992
私はル・テルトル=ロートブッフのワインの熱烈なファンであるが、常軌を逸した熱意をもって運営されているこのシャトーでさえ、1992年9月の母なる自然の厳しい力に打ち勝つことはできなかった。ライトボディで、柔らかく、スパイシーで、雑草のようなにおいの、水っぽいこのワインは、ここ2〜3年で飲みきってしまおう。これは酸度が低く、深みに欠けている。最終試飲月:94年11月 77点
テイスティング: 2011年7月26日
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