外観 エッジにオレンジが入ったガーネット色
香り 甘い果実、いちじくのコンフィ、ややブレット、なめし革、甘草、根菜など
味わい やや酸が低めで甘みのあるどっしりとした味わい。グリセリンが多く含まれたような。余韻もタンニンがこなれて、複雑な味わいが長くつづく。
久しぶりに飲んだグリュオー・ラローズである。個性がこんなにあるなんて知らなかった。何か骨格が太く昔ながらの作りを感じさせる。最近は他のメドックと同様に、カベルネ・ソーヴィニョンの比率を上げてエレガンスに仕上げる傾向にあるそうだ。こうした個性が無くなって行くのは寂しいことである。
カベルネ・ソーヴィニョン 57% メルロ 31% カベルネ・フラン 7.5% プティ・ヴェルド 3% マルベック 1.5%
パーカー ボルドー4版
ここは、サン・ジュリアンで最も重々しく、内向的なワインを造るシャトーかもしれない。1990年代半ば以降、よりしなやかでエレガントなスタイルになってきているのだが、残念ながらヴィンテージのムラがある。出来の良い時にはこのシャトーの血統に恥じない、しばしばそれ以上のワインを作るのだが、そうした偉大なワインの欲念に、過度のタンニンと硬い構造の感じられるワインを生産してしまう事があるのだ。
グリュオー・ラローズ 1988
暗いプラム/ガーネット色をしており、力強いノーズは甘草、ローストした肉、燻煙、甘いベリーやブラックカラントの風味を思わせる。このミディアムボディで比較的生硬だが、たくましく、凝縮したグリュオー・ラローズは、未だに若く見えるが、ひょっとすると1989年より有名な兄弟分より長命となるかもしれない。土っぽさや、下地となるハーブの筋もあるが、深み、凝縮感、力強さもたっぷり。いささか無愛想なワインだ。予想される飲み頃:現在〜2025年
テイスティング: 2012年6月 2日
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