外観 オレンジのグラデーションが入っているがコアまだ濃いめのルビー色
香り 最初は閉じていたが、次第に、白胡椒と黒胡椒が混じったスパイス、赤い果実、土、乾いた果実、ドライフィグ、乾いた茸、パンが焦げたような香ばしい香りなどが上がってきた。そした赤や黒い果実の香りもある。
味わい 最初はすこし酸が強かったが、次第に甘みがます。ねっとりした液体に奇麗な酸と甘さのバランスがよく、タンニンはほとんど溶け込んでいる。余韻は、味わいそして香りとも長く、濃いだしのきいたエキスと香りがいつまでも口の中に残る。
すごいパワーである。さすがこの年のものは素晴らしい。それにしても、これほど古くても香りにフレットがないのである。まさにブルゴーニュの神髄といってもよい香りである。
以前に飲んだネゴシアンものの特級ではこれほどの香りがしない。これについては調べてもわからないので、よくよく考えてみると、ホスピス・ド・ボーヌは総て新樽100%である。おそらく古い時代から。つまり1959年当時の清潔度を保つことは難しかっただろうが、新樽100%がその保証をしていた可能性が高い。そして当時のホスピス・ド・ボーヌの醸造長が優秀だった可能性が高い。
このボトルのエチケットは完璧な状態である。これは、当然蔵出しではないのでおそらく保存状態が完璧に近かったようである。
オスピス・ド・ボーヌ
医療と養護の施設だったいにしえの慈善院。寄進された畑のぶどうを使いオスピスで収穫、発酵、熟成が行われるが、それが11月には売られることになる。
ホスピスのワインは、すべて新樽で熟成される。また11月の試飲までに発酵、マロラクティック発酵まで終わっていなければ行けないのでかなり早く発酵できる手段をとっているようだ。毎年11月の第3日曜日に行われる競売会で品質に関わらずワインが大変な高値で売られる。赤、白にしてもその年の11月に試飲ができる。このオークションは、瓶詰めされたワインが売買される通常のオークションとは異なり、瓶詰めされる前の状態、つまり樽単位でワインが売買されるのが特徴。こうして落札された樽は、落札者が委託したネゴシアンが18ヶ月から20ヶ月間の樽熟成を行い、ボトル詰めし、初めてワインとして完成する。
テイスティング: 2012年10月23日
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