外観 軽く黄色が強いレモン・イエロー
香り ミネラル、白桃、熟した果実、軽くパイナップ、フリンティ、新樽の焦げた香りは最初浮いていたが、時間が経つにつれて他の果実などの香りと解け合いバランスよい複雑な香りとなった。
味わい すっきりした酸と果実が溢れる味わいを感じる。甘さはあまり感じない。少しスモーキーな味わいも感じる。2008年と比べてやや味わいにまろやかさがあり、これが白の熟成の変化と思わせる。余韻は、バランスよい果実の旨味、ミネラルが詰まっていてうっとりとさせる。なぜかルフレーブにも通じるのだが、飲みこんだ後に美味しいという感想がいつも出てくるワインである。
これは、ピエール・モレのネゴシアンものである。ブランは伴侶の旧姓である。ネゴス製とはいっても栽培はピエール自身が畑の管理をおこない、ぶどう果もしくはムーの状態で買い付け、その後はドメーヌものと同じつくり、しつけがなされる。
品質は素晴らしい。今まで飲んだ、コシュ・デュリ、コント・ラフォン、ルーロとの差はほとんどない。どちらかと言えば当然ながらルフレーブに近い味わいで僕の好みである。
ピエールの父オーギュストは戦前からコント・ラフォンの地所をメテヤージュで耕作、ワインを生んできた。1990年代初頭に契約が終了したため、ぶどうが収穫できない分を補う為に、小さなネゴシアンを始めた。2008年、20年間務めたルフレーヴのシェフ・ド・カーヴを辞した。そして2010年、新たなカーヴとシェが完成した。娘アンヌの住居に隣接した場所で、果汁、ワインの移動は完全なグラヴィティ・フローとなり、より一層の酒質の向上を追求できる環境が整った。
化学肥料や農薬などは使用せずに、ほとんど有機栽培で耕作をおこなってきたピエールだが、80年代後半からビオに取り組んできたルフレーヴでの成果などを見極め、90年代を通して本格的な移行への準備を徐々に整え、1998年から100パーセント、ビオディナミでの栽培を開始、2001年にはエコセールの認証も得ている。
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