Curly Flat Pinot Noir Macedon Rages 2008 カーリー・フラット ピノ・ノワール

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CurFlaPino2008.jpgCurly Flat Pinot Noir Macedon Rages 2008 カーリー・フラット ピノ・ノワール

外観 やや濃いめのルビー色
香り 開けたては強い還元臭がある。これは仕方がない。スクリューキャップだから。抜栓から1時間が経つととこの還元臭は消えて行き、次第に本来のピノ・ノワールらしい香りが出てくる。花の香り、ミネラル、赤い果実、やや青いハーブの香りがある。しかしもう少し時間がたち温度が上がると、華やかな花の香り、すこし揮発酸がでてくる。ここまで来るとブルゴーニュのワインと変わらないような香りである。まるでヴォーヌ・ロマネである。
味わい 柔らかい、最初から最後までフレッシュでピュアな果実の味わいがある。口の中にこのフレッシュな果実が広がる。最後にミネラルと果実の余韻が長く続く。ミネラルはやや火山性の鉱物を感じさせる。石灰のミネラルではなさそうだ。次第に時間が経ってくると、香りにもある揮発酸と、液体の甘さがましてくる。ピュアな果実感と凝縮感があり、揮発酸の味わいも混じってまるで高級なブルゴーニュワインを飲んでいるようになる。エマニュエル・ルジェのような味わいである。

今も飲み頃だが、あと2−3年まってもよいだろう。スクリューキャップの熟成がどれくらいなのかわからないが、まだまだ香りが開くまでに時間がかかりすぎる。

オーストラリアの素晴らしいピノ・ノワールを飲んだ。僕は最初の還元臭が嫌いで、アメリカにしてもオーストラリアにしても好きになれなかった。こうしてゆっくりと1本を飲み通すとやっとこのカーリー・フラットの真価が分かった気がした。
最初からくるピュアな果実の味わいはあるんだが、還元臭がその味わいの邪魔をしている。これが1時間かけて還元臭が消えてくると本当に味わい深いピノ・ノワールの一面を出し始める。そしてそこから次第にそこからこのワインの真価とも言えるブルゴーニュワインにも劣らない味わいの深さを出してくれる。
これはなかなかの発見である。新世界のピノ・ノワールもゆっくりと飲まなくては真価が分からないんだろう。

アルコール度数12.6%

Curly Flat カーリー・フラット

オーストラリア、ヴィクトリア州 マセドン・レンジズ
設立:1991年
オーナー:フィリップ・モラハン ジェニファー・コルカ
醸造家:フィリップ・モラハン
自社畑:14ヘクタール
年間総生産量:5,000ダース

ぶどう畑
リラ整技法(ブドウ樹が Y 字型になる仕立方)を主に用いています。
リラ・トレリスは房の日射条件がよく、果実の熟度とアントシアニンの増加を促しやすいといった特徴があり、また通気性がよいため、ウドン粉など病気にかかりにくい利点があるといわれています。
リラ整技法についてはあまり知らないのだが、他の資料には、ピノ・ノワールの新梢を下向きに、樹を左右両側に H形水平にはわせたダブルカーテン方式と呼ばれる仕立て方で植えています。と書かれている。


ピノ・ノワールは自然発酵で発酵し、果皮を抽出し過ぎないようスキンコンタクトさせ、非常に淡い色調で、オーストラリアワインにしては、控えめなボリューム感になる。葡萄の11%を房ごと圧搾、野生酵母で発酵後、フレンチオークの新樽から3年使用樽までを併用して22カ月間熟成させた。

ヴィクトリア州でも最も冷涼産地であるマゼドンを理想の地として1992年から試行錯誤しながらブドウ栽培とワインを手がけている小さなワイナリー。2004年にはワインジャーナリストのジャンシス・ロビンソンがオーストラリアのベスト・ピノ・ノワール選ぶ。2007以降ビオディナミによるワイン作りを導入。
設立から20年を超え、樹齢は年々古くなり、ビオディナミ導入の効果も出て、ワインのクオリティは止まる事無く向上。


Bottle type Screw Cap
Wine Maker Phillip Moraghan, Matt Regan
MATURATION 22 months in barrel, racked and cross flow filtered.



カーリー・フラットのサイト http://www.curlyflat.com

インポーター ザヴァイン http://ja.thevineltd.com

テイスティング: 2014年4月22日
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