Coup Franc Lassolle 2011 クー・フラン シャトー・ラッソル

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Coup Franc Lassolle Coup Franc Lassolle 2011 クー・フラン シャトー・ラッソル

外観 やや濃いめのガーネット
香り 複雑な香りである。すこそブレット、揮発酸もあるんだが、この香りはどうしてもボルドー右岸である。それも深みのある緑のハーブ、ミント、黒い果実(カシス、マルベリー)、赤い果実(レッドプラム)、土、レザー等。
味わい 豊かな酸、完熟した黒系果実、柔らかく溶け込んだタンニン。複雑でありながら口の中に喜びがこみ上げる液体である。余韻は長く、ミネラルの強さ、熟した果実などが長く続く。

アルコール13%

南西地方、カベルネ・フラン100%のワインである。ドメーヌ・エリ・ミナのカベルネ・フランが好きだったし、このシャトーの宣伝が良くって買ったワインである。飲んでみてびっくりである。なんだか、ちょっと前のボルドー右岸にタイムスリップしたような味わいである。こんな味わいは、右岸でもかなり良い格のワインでなければ出ない味である。南西地方ということでもびっくりである。でもボルドーの隣が南西地方なんだけど、一体どこだろう。調べてみるとCôtes du Marmanndais である。

Côtes du Marmanndais (赤、ロゼ、辛口白)
赤、ロゼ 主要 Cabernet Franc, Cabernet Sauvignon, Merlot
白 主要 Sauvignon, Sauvignon Gris,  
ガロンヌ川の両岸に広がり、右岸は石灰質、粘土石灰質でメルロやマルベックなどに適している。左岸は水はけの良い砂利質で、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニョンなどに適している。赤の補助品種として指定されているアブリウは土着品種で、肉付きが良くアロマ豊かなワインを生み出す。赤はカベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロにマルベック、シラー、アプリウなどをアサンブラージュし、香り豊かで、丸みがあリ、果実味やスパイスを感じさせるワインが造られている。

シャトー・ラッソル

マダム・ルロワからブドウ栽培、ワイン醸造を伝授された、南西地方のシャトー・ラッソル。

樹齢:63年〜100年以上。接木されていないフラン・ド・ピエ。 樹齢100年以上の樹はフィロキセラに耐えられた。今は根が深さ15メートルまで達している。
畑は約1ヘクタール。半分は100年以上前に植えられた。もう半分は1948年に最初の半分の葡萄の木の枝をマルコタージュ(取り木法と呼ばれる、フィロキセラ禍前の栽培方法)で植えられたもの。

畑・土壌:ソーテルヌ地方から続いている赤いグラーヴ・砂礫の脈。 標高は200mほど。(馬による畑耕作) 収穫:手摘み、2011年9月24日、収穫時に選果した後、醸造所にて再び選果台で選果。 醸造:80%除梗。破砕せずタンクで15日間低温マセラシオン。 19〜25℃で30日間アルコール発酵、ピジャージュ。 ブルゴーニュの5年樽でマロラクティック発酵、24カ月熟成。

ガロンヌ河右岸に位置し、海洋性気候の影響で温暖で湿気が多いというブドウにとって最適な条件を持つコート・デュ・マルマンデは、エリアン・ダ・ロスを始め新世代の台頭が著しい注目のアペラシオンです。

シャトー・ラッソルは2002年、ロームシュタイン(Romestaing)の地にステファニー・ルーセル(StephanieRoussel)女史によって設立されました。ステファニー女史は元は経済学、法学を学んでいました。しかし、ワインの世界に惚れ込み、ボルドーのビストロで働いた後にヴィニュロンの道へ進みました。畑はボルドー、ソーテルヌ地区から続く砂礫土壌に石が混じります。

 1947年、1960年に植樹されたマルマンデ伝統の古木であるアブリュー(果肉まで赤いタンチュリエ品種)、コー、フェルセルバドゥー、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローが除草剤、化学肥料、合成肥料なしで育てられています。そして、フィロキセラ禍によって接ぎ木を施していない樹齢100年を越える古木、フラン・ド・ピエのセミヨンとカベルネ・フランが彼女をこの畑の虜にしました。
彼女を導いたのはブルゴーニュの母、ラルー・ビーズ・ルロワ女史です。ビオディナミによる栽培方法はルロワ女史に師事しています。土地の特徴、そして畑と土中の生態系を尊重することでワインにテロワールを転写するのです。

 2013年ごろより、イタリア産の卵型アンフォラタンクを採用し、増やしています。この卵型はφ黄金比率によって形成されており、角が無い形状のため、手を加えることなくアンフォラの中でジュースが自然と滞留し循環するのです。そのため、人為的なピジャージュを施すことはありません。
また、適度な酸化を促すことにより、ワインに緊張感を与えます。当初4個から始めたアンフォラですが、毎年3〜4個増やしていく予定です。現時点(2015年)ではアンフォラ100%によるキュヴェはありませんが、将来的に目標としています。

 シャトー・ラッソルではマセラシオン・カルボニックは施しません。土壌の特徴をより鮮やかに表現するためにはマセラシオン特有の香りは避けた方が良いという判断です。基本的には全房で発酵させますが、成熟度の高いヴィンテージは過度なタンニンを避けるため除梗します。

テイスティング: 2017年4月 1日
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